つまみ細工とのコラボ作品制作過程
初めてのコラボ。
こんにちは。E.C.&Life(イーシーアンドライフ)作家のみぃです。
本日は、2020年12月にHanao様(https://twitter.com/Hanao_Meary?s=03)とのコラボ作品を作成させていただいた時の制作過程を可能な範囲でお届けしたいと思います。
先ず初めに、コラボするに至ったいきさつを少々。
Hanao様とはTwitter上で作家同士としての面識しかありません。ツイートを見て、恐らくお互い、いいものを作っているなーくらいの関係でした。きっかけは、小さなひとつの呟きでした。
#いいねした人とどんなコラボしたいか考える。 というTwitterのタグです。
私がこれに好奇心でいいねを押し、Hanao様が簡単なイラスト付きで提案。もしよかったら実際にやりませんかという話に。
お互い初めてで勝手がわからないものの、やってみることになったんです。
コラボ作品を販売する場合の売上について。
制作過程に入る前に、コラボの仕方ってよくわからないなーって思いませんか?私はめちゃくちゃ思いました。
今回は販売まではしなかったので特に考えることもなかったのですが、実際に販売するとなったらどうすればいいのでしょう。これ、検索しても出てこなかったんです。(^-^;
一番簡単なのは一方がパーツを買い取るという形。販売する側はそのパーツの値段を上乗せした金額でコラボ作品として販売する。これが一番簡単なのかなーと思います。
それ以外は正直、いい手が浮かびませんでした。このやり方で問題があるとしたら、作った作品が売れなかった時くらいなのかなーと思います。
もし他にいい手があるよーという方いましたら、無知なみぃにこっそり教えてください。(笑)
切り絵用の下絵
制作過程で一番重要と言っても過言ではない。デザインに深く関係する切り絵の下絵について。
モチーフは最初のHanao様の構想から蝶々と決まっていました。先ず色合いからご相談させていただき、なんとお互いグリーン系が好きなことが判明。即エメラルドグリーンで意識統一出来ました。(笑)
Hanao様からは小さなつまみ細工のパーツをご提供いただくとのことで、私はつまみ細工模様を意識した下絵を描かせていただきました。
こちらがその下絵になります。コラボ先であるHanao様のミンネギャラリーにお邪魔して、作風から参考に描かせていただきました。
切り絵用なので全ての線がちゃんと繋がっています。
この時点ではまだ切り絵を二層にするかどうかも決めていません。描き終わって、しばらく眺めながらどんな作品に仕上げていくか決めます。私は割と行き当たりばったり派なのです。(笑)
暫く考えて、その結果模様部分と本体部分で二層の切り絵にすることを決めました。エメラルドグリーンの部分と、本体とでメリハリが欲しいかなとか、そんなことを考えたはずです。
切り絵に関して、後々詳しく作り方を載せた記事を書きたいと思っているので詳しい作り方は今回は省略させていただきます。
切り絵とそのレジン加工
実際に切り絵を切り終わるまで、なんと8時間以上の時間を費やしてしまいました。(勿論手を動かしている時間でです。)
二層にした為、パーツとして切り絵が3つになりました。
右翼模様、左翼模様、そして本体です。
エメラルドグリーンの画用紙で模様部分を、黒の画用紙で本体部分を切りました。
下絵に描かなかった黒い本体の線は二層にした時に本体が切りにくいのと、よれて模様との綺麗な接着が難しくなるのを防ぐ目的で足しました。
この切り絵をレジン加工して、パーツとして一つにしていきます。
先ず模様部分を百均の木製ピンチで挟みます。木製なのはそっちの方が紙へのダメージを抑えられるから。
今回、模様部分にだけちょっと特殊な加工を施したいので本体との接着はその加工が終わってからです。
先ずは切り絵部分にだけレジンを塗っていきます。小さな隙間がなるべくレジンで埋まらない様にコーティング用のレジン液についているマニキュアのような筆を使います。
(撮影には邪魔だったので画像は手袋していませんが皆さんレジン作業の時は手袋をしましょうね!)
細かい作業ですがこの後の加工の為に大事な作業です。
少しずつレジンを塗って、硬化を繰り返します。裏表しっかりと。
模様両翼、レジンが塗れたら次の工程に移ります。
クローム加工とパーツの組み立て
本体と合わせて表をしっかりと確認します。間違えたら大変です。(笑)
ここで微粒子のラメを用意します。画像は取り損ねました。
クローム加工という加工を施します。表面にレジンのべたつきを少し残しておいて、微粒子のラメを表にポンポンと載せていきます。簡単に余分な粉を落としてからレジンを重ね、粉が落ちない様にしたら加工完了です。
今回は模様上部と下部で別の色の微粒子ラメを使用しました。
これはレジンのついているところにしかつかないのでひとつ前の工程が活きます。模様の枠だけがキラキラと輝く様になるのです。
この加工が両翼出来たらいよいよ切り絵の組み立てです。なるべくずれないように接着する緊張の瞬間がやってきます。
レジンをつける前に合わせます。裏表間違えていたらこの段階で気付けるように。
そうして確認を済ませたら、少しずつレジンを本体側に塗り、模様と合わせた状態で硬化していきます。
多少レジンが塗れてなくて模様が引っ付いていなくてもオッケー。この後の工程でしっかりくっつくので、浮いていないかだけを気にします。
ずれたら修正が効きません、硬化する時はまた木製ピンチで挟みます。
レジンの膜の張り方。
両翼本体への取り付けが終わったら次は着色レジンを用意します。
緑と青で二色、用意しました。これを模様部分に少しずつ置いていくのですが、これも筆で行います。
多めに着色レジンを取って、裏側から模様の隙間に膜を張っていきます。
筆を横向きに添わせると膜が付きやすいです。
着色と硬化を少しづつ繰り返してこんな感じになりました。好みの色合いになるまで何度も着色レジンを重ねて作っています。
上手く膜を張りながら硬化出来ていると表から見た時のラメがはっきり見えて綺麗です。
色合いに満足したら次はクリアで模様のない羽根の部分を覆っていきます。これも筆を使って、模様部分と本体の羽根部分をレジンの膜で繋げていきます。これをやらないと均等にレジンを盛れないのと、耐久性がとても弱い物になってしまうので必ずレジンで覆ってしまいます。
膜が張れたらなるべく均等の厚さになる様にクリアレジンを盛って硬化していきます。この時に蝶々本体もしっかりレジンで覆います。細い触覚までしっかりレジンで覆います。
仕上げ
しっかりレジンで覆ったものがこちらになります。
表側のラメが蝶々の鱗粉のようにキラキラ光って綺麗です。
しかしこのままでは触覚部分がとても脆いので補強しなければいけません。細くてもレジンより強く、接着可能で見た目も悪くないものということでワイヤーを使用することにしました。
ワイヤーは長めに一本取り、長さと位置を調整しながらくるくると巻いて蝶々の土台の様に中央に配置することにしました。
中央の土台部分を接着剤で接着してから、乾いた後にレジンで確実に接着します。触覚部分はワイヤーが切りっぱなしなのもあって完全にレジンで覆ってしまいます。
これで触覚の補強も完了です。
これでパーツとしては完成しました。
後はコラボする作家さんにこれを無事にお届けして仕上げてもらいます。
完成と感想。
相談の結果として今回はポニーフックに仕上がって帰ってきてくれました。
小さいつまみ細工とそろばんビーズ、Hanao様のセンスです(^^♪ とても可愛らしいポニーフックに仕上がって帰ってきてくれました。
小さいつまみ細工、実際に手に取ると本当に小さくて驚きました。これをバランスよく配置していくの難しそうです(・・;)
Hanao様は私が蝶々を作っている間にパーツをお作りになられていたのですが、奇跡的に色合いが完璧で驚いてしまいました。(笑)まるでその場で一緒に作ったみたい。完成後、DMでそんなお話をしました。
初めての試みではありましたが、大きなトラブルもなく無事に完成させることが出来て良かったです。記念にHanao様にもう一羽蝶々を送ってお揃いにしまして、暖かい気持ちでコラボ企画を終わりにすることが出来ました。
今回の反省点は、初めてのコラボということもありちょっと気合を入れすぎてあまりにも時間の掛かる作品にしてしまったこと。特に切り絵で8時間半はよくない。Hanao様に引かれてしまう(^-^;
良かった点は色合い。小さいつまみ細工との調和。普段あまり使わないワイヤーの練習になったこと。Hanao様とちょっと仲良くなれたこと。
こんなところでしょうか。
今回は初めてのコラボ企画、Hanao様とすることが出来て感謝の気持ちでいっぱいです。まだまだの私にコラボのお声を掛けてくださり本当にありがとうございました。
もし次回があったら次こそは是非、お客様にも手に取ってもらえるような作品がいいなーと思っています。可能ならやっぱり販売したい!
と決意を新たにしたところで(笑) 長い制作過程にここまでお付き合いありがとうございました!また次回も見ていただけましたら嬉しいです。
E.C.&Life(イーシーアンドライフ)作家のみぃでした。
切り絵レジンのハンドメイドアクセサリーショップ|E.C&Life
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